2015年6月23日火曜日

なのぼ〜どAG(2015年春版=V1.4)をArduino IDE 1.6.5でプログラムする(更新あり2015-09-10,2015-08-17, 2015-07-06, 2015-06-30, 2015-06-27)

新しい2015年8月版1.4のなのぼ〜どAGが出たので,ともんさんのサイトを参照しましょう.本エントリは以後更新しません)

(重要な訂正:D3,5,6はPWMできませんでした。よって使えるのはD9,10,11のみ)
(重要な訂正:PWM端子がM1とM2で逆に書いていたのを直しました2015-07-06)
(更新内容:基板の端子の接続をテスターで確認しました)

ともんさんが頒布されている、なのぼ〜どAGは、もともとScratchセンサーボード互換にWeDo相当のモータドライバを載せる用途で開発されてきたものだったはずですが、Arduino互換なので、とても安価なArduinoとして使いたいという方も多いかと思われます。

学生実習用に、モータドライバつきでCdS、マイクロフォン、スライダーボリューム、タクトスイッチを搭載したArduinoが送料込み2,000円というのはたいへんありがたいので、使わせていただくことにしました。

現在の最新版はV1.4だそうで、裏面を見るとたしかにそうシルクされています。(2015-06-30追記)

回路図も公開されているのですが、ロットごとに、ともんさんが支援している、その時々のOtOMOの活動(主に子ども向けScratchプログラム学習イベント活動)に合わせて設計がかわるようなので、特にソケットのあたりは現状に合っていなくてしばし迷うところでありました。また、Arduino IDEについて、古い情報を更新するエントリが見当たらなかったので書いてみる次第であります。

まず2015年春版(年内にロットがはけたら次の設計にかわるかもしれないので、仮にこう呼ぶことにします。追記2015-06-30:4月末以後はV1.4だそうです)の外見は、「なのか〜」の写真が該当するように思われます。具体的にいうと、サーボモータ端子はなくなって、アナログ入力A,B,C,Dと同じ並びにD11とVccがきて、超音波距離センサーがそのままささるようになっています。(テスターで確認:2015-06-27)

あと、M1, M2のモータ端子横の3本のうち、外の2本が基板を電池駆動する場合の電源端子であること、スルーホールのままの3端子が電池ボックスからの電源スイッチを取り付ける場所であることが、「なのか〜」の写真からうかがえます。残る1端子は、モータドライバのモータ用電源端子につながっています(テスターで確認:2015-06-27)。

まとめると、こうなると思います。
なのぼ〜どAG 2015年春基板と端子の割り当て

この写真は上のスルーホールにピンソケットがついていませんが、本来はつけた状態が完成品のようです。手仕事の部分が残っているようなので、値段もたいへん手頃ですしScratchセンサーボードとしては本来不要なところなので、それをとやかく言うのはよろしくないと思います。(追記2015-06-30)

なのぼ〜どAGはATmega8Lの8MHzクロックなので、ATmega168に対してFlashが半分(8kB)ということさえ注意すれば、学習用のプロジェクトには十分使えるのではないかと思われます。ATmega8というと、初期のArduino NGなど古い基板の印象ですが、Adafruitの最近のヒット作Gemma(ATTiny85使用)にむしろ近いのかもしれず、そう思うとなんとなくモダンに見えなくもない感じです。

ただ、ATmega8L内部クロックで動作しているので、外付けクリスタルで動作するArduinoに比べればタイミングが不安定なときがあり、基板バージョンごとに対策をとって安定度は増しているものの、ときにスケッチ書き換え失敗がないとはいえないようです。つまり、Scratchセンサーボードのスケッチを消すのは自己責任と考えるべきだと思いました。基板に搭載されているクリスタルは、回路図を見ればわかりますがPL-2303HXC用、つまりUSB用です。(追記2015-06-30)

さて、まずはArduino IDEで使えるようにするために、boards.txtに何を書くのかということですが、最近のなのぼ〜どAGはoptibootをbootloaderに使っている、つまりUno R3などと共通のコードベースで動いているのでわりと素直です。1.0.5用として公式ページに書かれているものにちょっと追記したら1.6.5でもうまくいきました。

こんな感じ。

atmega8o83.name=chibiDuino pro ATmega8 38400 optiboot

atmega8o83.upload.protocol=arduino
atmega8o83.upload.tool=avrdude
atmega8o83.upload.maximum_size=7680
atmega8o83.upload.speed=38400

atmega8o83.bootloader.tool=avrdude
atmega8o83.bootloader.low_fuses=0×94
atmega8o83.bootloader.high_fuses=0xDC
atmega8o83.bootloader.path=optiboot
atmega8o83.bootloader.file=optiboot_cp83.hex
atmega8o83.bootloader.unlock_bits=0×3F
atmega8o83.bootloader.lock_bits=0×0F

atmega8o83.build.mcu=atmega8
atmega8o83.build.f_cpu=8000000L
atmega8o83.build.core=arduino
atmega8o83.build.variant=standard
atmega8o83.build.board=AVR_ATMEGA8O83

これで次に気になるのは搭載されているセンサー類がどうなっていて、自由に使えるアナログ入力があるかという心配ですが、なのぼ〜どAGはアナログ端子8個の設定なので、実は結構余裕。

A0マイクロフォン(音量センサー)
A1「A」端子
A2「B」端子
A3「C」端子
A4「D」端子
A5CdS(光センサー)
A6スライダー可変抵抗器
A7タクトスイッチ

D5モーターM2制御1
D6モーターM2制御2
D7モーターM1制御1
D8モーターM1制御2
D9モーターM1 PWM
D10モーターM2 PWM

D2-D4とD11-D13は未使用です(超音波距離センサーはA1(=D15)とD11を使用するので、その場合は他の用途に使わない)。D3とD11がPWM対応なのは通常のArduinoと同じです(D3,5,6はPWMできないので普通のArduinoと異なることがわかりました:2015-08-17追記)。また、D13には通常のArduinoと同じようにチップLEDが接続されています。

なお、アナログ端子はすべて10kΩ(103)抵抗でプルアップされているので、学習用に分圧回路組ませたりしなくても、なにか抵抗値が変化するものを入れるだけで値の取得ができます。プルアップが困る場合,プルアップ抵抗値を変えたい場合は,裏側にジャンパパターンがありますので,そこをカットすればプルアップ回路の切り離しを行うことができます。1MΩでプルアップすれば,Makey Makeyのようなタッチセンサー風味のことも十分可能です。(追記2015-08-17)

あと、基板手前側のピン、普通のArduinoでは電源やアナログ入力端子が出ているところの上がスライダー可変抵抗器でふさがってしまっているので、「A」〜「D」で外に出してある端子を使うべし、ということになろうかと思います。電源周りはあちこちにVccとGNDが出ているので、それらを利用すればそれほど苦労はしないと思います。

I2CはA5がSCL, A4がSDAですが、スライダーボリュームの横にA5が出ているので、こことアナログ「D」(A4)を活用すればなんとかなるかもしれません。ただしA4はプルアップをありがたく利用させていただくとしても,A5にはCdSがつながっているので、CdSに光が入らないよう、しっかり覆いをかぶせて高抵抗(1MΩぐらいになるはず)を保つか、確実なのは基板裏のA5とシクルされた部分のパターンをカットしてCdSを切り離す(追加2015-07-06,打ち消し線追加2015-08-17)べきと思います。どちらもA4は基板上で10kΩでプルアップされているのでそちらのI2Cのプルアップ抵抗外付け不要ですが,A5はパターンカットによりプルアップを失いますから,それを補う必要はあります(文章訂正2015-08-17)。