2012年8月13日月曜日

Kobo TouchはGoogle Analyticsにデータを送信しているらしい

MobileReadのフォーラムを眺めていたら、こんな記事があった。
KT's Google Analytics integration, and how to disable it.
おやまぁ、最悪〜。Googleのサービス使いながらAnalytics宛はすべてfirewallで遮断している僕にとってはほっておけない話。超訳してみる。
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  • KTがオンラインでGoogle Analyticsにアクセスできるときには利用データを送信している
  • 1.9.16からじゃなくて、最初のファームウェアからそうだったよ
  • 利用データの内容は、例えば「ホームスクリーンが@timeにロードされた」「読書画面が@timeにX分開いていた」「デバイスは@timeにスリープした」など
  • 機内モードにずっとしとけばデータは送られないけど、WiFi経由のアップデートのときにデータは送られちゃうかもね
  • 電源を切るか再起動するまでひとつのセッション(それか500個のデータがたまるまで。ただ、そこでログを止めるのか新しいセッションになるのかは不明)
  • 送信されないでたまっていたデータは再起動のときにクリアされる
  • ひとつのセッションの間、ランダムに与えられたユーザIDが共通して使われる。セッションをまたいで同じIDが使われることはない
  • クレジットカード番号やペットの名前や読書中の本やメールアドレスがGoogleに送られることはない(これはやってあるよね?)
  • Kobo社はあなたのIPアドレスやあなたのKoboアカウントと関係する行動は見ることができないけど、Googleはそれができる。間違いなくIPアドレスは記録している
  • データがGoogle AnalyticsからKoboに転送されているわけではない
  • データ送信は内蔵ブラウザとは関係なく行われる
  • devices.kobo.comはまやかしだ(後述)
.kobo/Kobo/Kobo eReader.confの変数GAQueueに、次回KTがネットに接続するまでのGoogle Analyticsに送信するデータがたまってる。GAQueueは再起動ごとにクリアされる。

GAQueue変数のなかみを読み解きたいなら、以下の文書を参照:
最もわかりやすいやつGAのcookieについてutmsのパラメタについて

ナード向けに具体例を置いといた。
http://pastie.org/3079390

KTは「http://devices.kobo.com/ReadingView/Book」みたいなURLをGAに送るけど、devices.kobo.comは存在しない。これは実在しないし、だからといって悪いやつが「隠蔽の証拠」にしようとしたわけでもない(もしそうなら設定ファイルのなかみは難読化するはずだし、KoboのCEOはもっと儲けてるはずだ)。

Google AnalyticsはWebサイトをモニタするためにあちこちのサイトに組み込まれている、簡単で、無料のプラットフォームだ。Kobo端末はGAに対して、自分がWebサイトを見ているような形でデータを送ってる。彼らが使っているのは、ここにあるような、モバイルデバイス用GAと同じやりかたを使っている。

Lanchtrayが言うように、デバイスが利用状況を測定するのは別に驚くようなことじゃない。だけど僕は彼らがモバイルゲームを例にとって、詳細なスタッツ(どんなオプションを使ったかだとか)は必要で有用だというのには納得しない。

僕はKTがGAと統合されているってのはしばらく前から知ってたけど、いまその実装をしっかり見て、詳しいスタッツについて考えてる。でも、KoboがGAが提供しているツールのような、ひどく押し付けがましくて、使いものにならないトラッキング情報のほとんどを避ける努力をしているのが見て取れて喜んでる。Koboはアカウントや明白なIDを追跡しないし、セッションをまたがる(再起動しても追跡する)データは送信しない。

だけど、ホームスクリーンをロードしたり、本をX分読んだとかいちいち報告されるのは僕にとってはオーバーキルだ。測定しているのは、すごく深い情報をとられるってわけじゃないし、CarrierIQがやったみたいなこととや、メニューやボタン操作の追跡をされるのとは程遠いんだけど。

要するに、少なくとも僕にとっては、「気持ち悪い」の一線を超えてるんだ。だって、データはGoogleに送られて、スタッツはGoogleの個人情報保管庫に入れられて分析されるんだ(これがKoboに送られるんだったら、やっぱり考えるけど、かなりましだ。Koboは個人情報の収穫でビジネスを立てているわけじゃないから)。

Marco Armentは、僕よりずっとうまく「モバイル分析が気持ち悪くなる境目」について説明してる(49分目以後、コーヒーの話が終わったところから)。

Kobo TouchでGoogle Analyticsを無効にする方法

たったこれだけ:Kobo Touchのhostsファイルに、www.google-analytics.comがループバックアドレスの127.0.0.1を指すように書いておく。これでデバイスはGoogle Analyticsとは通信できなくなるから追跡を断ち切れる。

正確には、/etc/hostsファイルに
127.0.0.1 www.google-analytics.com ssl.google-analytics.com
と追記した。
(以下アップデート用ファイルとその適用のしかたが説明されてるけど割愛)

この仕掛けはアップグレードに関係なく有効だと思う。開発者がhostsファイルを更新するってことは考えにくいから。

(以下、擁護派のLanchtrayとその他の人の間で議論があるけど割愛)

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(2012年9月3日追記:PCのKoboアプリもGAと統合されているようだ。Mac版には、~/Library/Preferences/com.kobo.Kobo Desktop Edition.plistというのファイルとcom.kobo.Analytics.plistがある。バイナリなのでコピーしてXML形式にすると、前者にはBrowser.cookiesというキーで、b64エンコーディングされたバイナリの配列がある。そしてその次にはGoogleAnalytics.visitorCookieというキーでなにやら数字とドットの組合せからなる長い文字列が値としてついている。後者にはただひとつだけのエントリがあり、キーはGAQueue、値は配列のようだ(いまは空だった)。)